教員採用試験の伝統音楽の問題について

花鳥風月よりフリー素材秋のイラストNo.113『本と紅葉』 本の紹介
花鳥風月よりフリー素材秋のイラストNo.113『本と紅葉』

筆者は普段、大学で日本音楽史の授業を担当している非常勤講師です。このたび思い立って、教員採用試験の音楽科の問題集を手に取りました。日本の伝統芸能に関する問題を知りたかったのですが、見てみると、なかなか細かいところを突いている…。私の半年の授業ではここまで説明していなかった!という内容が出題されていました。

教員採用試験「全国版」過去問シリーズ 音楽科 2024年版

今回、私が手にしたのは、共同教育研究会(編)『教員採用試験「全国版」過去問シリーズ⑨ 全国まるごと過去問題集 2024年版 音楽科』です。画像をクリックするとAmazonの販売ページに飛びます。

この問題集は、教員採用試験を実施している全国の自治体(47都道府県と20政令指定都市)の音楽科の問題が網羅されており、分野別、項目別に掲載されています。分野は下記のとおりです。

  • 音楽用語
  • 楽器
  • 世界の音楽
  • 日本の伝統音楽
  • 楽曲
  • 楽典・スコア
  • 和音・コードネーム
  • 音程・音階・リズム
  • 作曲・編曲・移調
  • 学習指導要領
  • 学習指導法

このうち、伝統音楽に関係するのは、主に「楽器」と「日本の伝統音楽」です。
「楽曲」にも「日本の楽曲」という項目がありますが、これは近代以降の西洋音楽を日本人が実践したいわゆる「洋楽」の分野が主でした。

では、「楽器」と「日本の伝統音楽」の出題について簡単にまとめておきたいと思います。

楽器

「楽器」は、「ギター」「和楽器」「西洋楽器」「民族楽器」「総合」という五つの項目に分かれています。「和楽器」は、大問が9問あり、三味線、鼓、箏、尺八について出題がありました。

小鼓と大鼓の奏法の違いや尺八の流派名を選択するなど、確かに基本的なことで、音楽の先生には知っていてほしい内容ですが、私は大学の授業では時間がなくなると説明を省いていたかも…!

楽譜も出題されていましたが、日本の伝統楽器の楽譜はそれぞれ違う法則に従って書かれているので、そこも正確に覚えておかないといけませんね。

日本の伝統音楽

「日本の伝統音楽」は、大問が29問ありました。本書は全国の問題のうち出題率の高い問題を選んで掲載しているということなので、実際には、もっとたくさんの伝統音楽に関する問題が出題されているということなのでしょう。

本書には、各教科の項目毎に、出題率が高い問題を精選して掲載しております。

全国まるごと過去問題集 音楽科 6頁

内容は、民謡、雅楽、能楽、文楽、歌舞伎、三曲(地歌・箏曲・尺八)、新日本音楽など多岐に渡っています。内容は、それぞれの種目の歴史、楽器の構造、調弦法、奏法などを知っている必要がある内容でした。

特に箏と三味線については、楽器の構造や調弦法を正確に覚えて五線譜で表現できるところまで求められていました。これは練習しておかないと難しいですね。

最近の内容として、指定されたばかりの重要無形文化財や世界無形文化遺産も出題されていました。これは、いわゆる時事問題なのでしょうか。これも日々の対策が必要ですね。

まとめ

全体として、全国の教員採用試験での日本の伝統音楽についての出題は、それぞれの種目と楽器について正確な知識が求められている出題内容でした。今後の学校教育を担う先生のための試験なので当たり前なのかもしれませんが、丁寧に学習することが大切になると感じました。

ところで、私が半年15回の大学の授業で扱っている範囲ではありましたが、授業では、この出題内容まで詳しく語れていないと反省しました。大学の授業で扱う暇がないのですから、教採を受験する学生は、自力で細かいところをカバーしなくてはいけないわけですね。今でも授業時間が短いと感じているのに内容を増やすのは難しく、悩ましいところですが、今後は授業構成を工夫していきたいです。

私の授業の反省になってしまいましたが、問題は興味深いものでしたので、今後、少しずつ関連する内容を記事にしていきたいと考えています。お楽しみに。

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